宮崎で小学校教師をしていた石井十次は、ジョージ・ミュラーの話に感化され、自分も孤児救済を志しました。ところが孤児院経営には、何よりも経済問題が壁となって立ちはだかりました。
そこで全国を巡って、孤児教育会の会員を募集して歩きました。1年間で約1000人の会員と当時の価格で350円の募金を得ました。
しかし彼は、この方法がジョージ・ミュラーの「神のみ信頼する」というやり方に矛盾していることを日に日に感じるようになりました。そして「人に頼るのはやめ、神にのみ信頼する」と決心し、祈りの犠牲をささげることを表明しました。
自由献金で維持することとなった孤児院の財政は窮迫し、極貧の生活を送るようになりました。しかし彼らは毎日、お金の工面よりも先に、子どもたちと熱い祈りをささげました。
そんな中、米国の婦人が彼らを訪問し、30円の献金をささげてくださったのです。
子どもたちと石井は、「神様がこたえてくださった」と感激し、ますます熱心に祈るようになりました。
こうして、孤児院は経済的にも満たされ、対外的に救済するほどまでに祝福されました。
また伊藤博文や政界、財界の関係者、海外にも取り上げられるほど発展していったのです。
天に召されるまでの40年間に、彼が祈りによって養った孤児の数は4000人に上り、「日本の孤児の父」として高く評価されています。
私たちが神様を信頼して献身と犠牲を払うとき、神様は御座を動かされるのです。
「だから、神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます」（聖書/マタイ6；33）
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