「最も罪深かった時」 L.i.C

チャ・ユンスンさんは、伝道者として日本でも活躍している韓国のクリスチャン作家です。
ある時、チャさんはこんな質問を受けました。

「あなたが一番罪深かった時はいつでしたか?」

チャさんはこの質問にこう答えました。
「それは、私が一番きよくて、献身的で、忍耐し、苦労していた時ですよ」

けげんそうな顔をする相手に向かって、さらに続けてこう語りました。
「その理由は、自分で自分のことを正しい人だと思っていたからです。
そして、他人は自分に比べて正しく行っていないと、相手を裁いてばかりいたからです」

「あなたのしもべを、傲慢の罪から守ってください。それらが私を支配しませんように。
そうすれば、私は全き者となり、大きな罪を、免れて、きよくなるでしょう」(聖書/詩篇19:13)
“「最も罪深かった時」 L.i.C” の続きを読む

「書かれた通りにしてみると」 L.i.C

明治の末、石川県の木津村に、方外(ほうがい)定次郎という青年がいました。
ある冬の夜、仲間とワカサギ漁をしていましたが、寒さのあまり、
ほかの漁師たちは引き上げてしまいました。

しかし、彼だけは残って、網を下ろしていました。

夜明け頃になって、網を引き上げてみると、
青い表紙の小冊子が2冊入っていただけでした。
本の表紙には約翰伝(やっかんでん・ヨハネの福音書のこと)と書かれてありました。
本を開いてみると、そこにはこう書いてありました。

「イエスは彼らに言われた。『舟の右側に網をおろしなさい。そうすれば、とれます。』
そこで、彼らは網をおろした。すると、おびただしい魚のために、
網を引き上げることができなかった。」(聖書/ヨハネ21:6)
“「書かれた通りにしてみると」 L.i.C” の続きを読む

「じっと十字架だけを」 L.i.C

「生きるにも死ぬにも私の身によって、キリストがあがめられることです。」
(聖書/ピリピ1:20)

今から200年ほど前のことです。

一人の青年紳士が、デュッセルドルフの美術館の一枚の絵の前にたたずんでいました。
その絵は有名な画家ステンバーグが、
自分の罪のためにイエス様が十字架で死なれたことを描いた、
あの「十字架のキリスト」でした。
彼はその絵の前にやってくると、足が床に吸いつけられたように、
ピタリと動かなくなってしまったのです。
その絵は、イエス様が静かに呼びかけているかのようでした。

画題を見ると、ラテン語で
「我は汝のためにかくなせり、汝は我がために何をなせしや」と書いてありました。
それを、何度も口の中で繰り返し味わった彼の目には、涙がにじんでいました。
“「じっと十字架だけを」 L.i.C” の続きを読む