それは1620年の秋のことです。イギリスの港を出た小さな船が波にもまれながら、
まだ見たことのないアメリカ大陸へ向かっていました。
この船の名前は「メイフラワー号」といいます。
船の中には102名のクリスチャンが乗っていました。
この人たちは、イギリスの国で決められた、厳しい教会の規則や暗い儀式に反対して、
もっと自由に、もっと明るく神様を礼拝したいと願った、
ピューリタン(清教徒)と呼ばれた人たちでした。
この人たちは荒波や暴風と戦いながら、10月の半ばごろ、
やっとのことでアメリカの東海岸にたどり着きました。
みんな、抱き合って喜びましたが、それもつかの間で、寒い冬をむかえました。
あまりの寒さで、翌年の3月ころまでには102人中、
半分の50人くらいの人は死んでしまいました。
でも、どんなに苦しい中でも「神様は必ず守って助けてくださる」
という信仰に立って、祈って希望を持ちました。
やがて、暖かい春がやってきました。
そこで清教徒の人々は土地を耕し、穀物や野菜の種をまきました。
その年の秋には、たくさんの穀物が実りました。
刈り入れも終わるころ、インディアンの人たちをむかえ、
刈り入れたばかりの農作物をならべ、讃美歌を歌って神様を賛美しました。
そして「神様、今までお守りくださったことを心から感謝いたします。
農作物を豊かに与えてくださったことを感謝します。
この地でいつまでも神様のお名前があがめられますように」
と感謝のお祈りがささげられました。これがいちばん最初の感謝祭です。
アメリカの国ではこれを記念して毎年11月の第４木曜日に
『感謝祭(サンクス・ギビングデー)』をします。
「わがたましいよ。主をほめたたえよ。
主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな。（聖書/詩篇103：2）
感謝祭の季節です。
主がしてくださってる、すべてのことに感謝をささげましょう。
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