それは1870年のことでした。青年ウィリアム・ブース先生が、夜の集会を終え、
東ロンドンの裏街まできたときのことでした。
薄暗い道路に、酒に酔いつぶれて倒れてしまっている人たちがたくさんいます。
また、暴力団同士のけんかが始まりました。
ブース先生はこぶしを固く握りしめ、涙を流しながら、
「イエス様、なんというすごいありさまでしょう。
まるで地獄です。この人たちはイエス様を知らないのです。
どうぞ、私をこの地のためにお遣わしください」とお祈りしました。
牧師先生たちが大勢集まったときに、ブース先生は立ち上がると、
「みなさん、私を東のロンドンのみだれている、汚れた町に遣わしてください」と言いました。
牧師先生たちは驚いて、互いに顔を見合わせていました。
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