第二次世界大戦中のタイで起こった実話です。
東南アジアで数万人のイギリス兵が日本軍の捕虜となり、
毎日35℃以上の熱帯雨林の中で、
クワイ河にかかる鉄橋を作らなければならいという、
過酷な強制労働が続きました。
弱った捕虜たちが毎日のように死んで行き、
極限状態の収容所生活の中で、捕虜たちは次々とモラルを失い、
自分が生きていくためには他人はどうなってもいい、
というような考え方に堕ちていきます。
しかし、このような極限状態の中で、
数人の捕虜たちの自己犠牲的な行為が
収容所全体の雰囲気を全く変えました。
ある日の労働が終わり、工事用具の確認が行われて帰ろうとすると、
日本軍の捕虜監視兵が、シャベルが一本足りないと言い出したのです。
盗んだ者は一歩前に出てきて罰を受けろと命令しましたが、
誰一人動きませんでした。
「全員死ね!全員死ね!」と逆上した彼は、
捕虜たちを一通り眺めたうえで左端の者から射殺しようとしました。
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