「大指揮者の誕生」 L.i.C

19世紀から20世紀にかけて活躍した、イタリアの指揮者アルトゥーロ・トスカニーニは、
楽譜を全部覚えて指揮をすることで有名な指揮者です。

元々チェロ奏者だった彼が楽譜を覚えるのは、彼が生まれつき極度の近視で、
譜面台に置いた楽譜が見えなかったためでした。
彼は自分が演奏するために、自分のパートだけでなく、
ほかのパートもすべて覚えていました。
いつ、どんなパートが演奏するのか分かっていないと、
自分が演奏する場所が分からなくなってしまうからです。

ある日、練習のためにオーケストラが集まったのですが、
指揮者が急用で来れなくなってしまいました。
誰かが指揮をしなければなりません。
そこで、すべての楽譜を覚えている彼が指揮をすることになりました。
すべてのパートが頭に入っていた彼は、すばらしい指揮をし、メンバーはとても感動しました。
こうして、彼は指揮者として有名になったのです。
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「新しい力」 L.i.C

19世紀最高の詩人と呼ばれた、ヘンリー・ワーズワース・ロングフェロー。
彼は困難の多い人生を過ごしました。

彼の妻メアリーは若い頃から長い間病に苦しみ、流産の後に22歳でこの世を去りました。
その後、その後再婚したファニーを心から愛しましたが、ある日突然の悲劇に襲われました。
ファニーが44歳の時、ひどいやけどを負って亡くなってしまったのです。
彼は悲しみにうちひしがれました。

彼が75歳になった時、ある記者がこのように質問しました。
「先生はお二人の奥様と死別され、多くの困難の中を歩んでこられたと聞いております。
そのような中で、どうしてそんなにすばらしい詩をたくさんお書きになることができたのでしょうか」

するとロングフェローは、庭にあるリンゴの木を指差しながらこう答えました。
「あの木が私の先生です。あの木はとても古い木です。
しかし毎年花が咲き、実を結びます。古い枝から新しい枝が少しずつ出るからです。
私もいのちの主であるイエス・キリストから新しい力を毎日いただき、
人生の新しい花を咲かせ、実を結びながら生きてきました」
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「希望を胸に」 L.i.C

ユダヤ人であったビクトール・フランクルは、
ナチスによって妻子も両親も殺されてしまいました。
それだけでなく、自分も収容所に入れられ、持ち物をすべて奪われ、
裸にされ、結婚指輪さえも奪われてしまいました。

しかし彼は、心の中でこう宣言しました。
「あなたたちは私から妻を奪い、子どもたちを奪うことができるかもしれない。
私から服を取り上げ、体の自由を奪うこともできるだろう。
しかし、私の身に降りかかってくることに対して、
私がどう反応するかを決める自由は、誰も私から取り除くことはできないのだ」

彼はその宣言通り、収容所の中でも希望を失わず、
生きてそこから出ることができました。
そして、収容所から出ることのできた人は皆、
何かしらの希望を持ち続けた人だったのです。
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「ピグマリオン効果」 L.i.C

ほめ言葉は心から湧き上がり、お世辞は歯の隙間から流れ出るという話があります。

真心からのほめ言葉と感謝の言葉は、人の心を動かすことができるのです。

1968年、ハーバード大学の社会心理学教授のロバート・ローゼンタールと、

小学校の校長歴20年以上のレノー・ジェイコブソンは、

ある時サンフランシスコにある小学校で、全校生を対象に知能テストを行いました。

その後、このテストの点数とは関係なく、無作為に20%の子どもを選びました。

そして、その名簿を担当の教師に見せ「知的に大きく成長する可能性のある学生」

という過度なほめ言葉を評価として与えました。
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「数より質を大切に」 L.i.C

スコットランドのある教会でのことです。

主日礼拝後、牧師と話し合うために長老さんたちが集まりました。

全員が集まってから、一人の長老が代表として、牧師に辞任してほしいと申し出ました。

彼らは、その牧師がすべての働きを担当するには、あまりにも高齢だと思い、

自分たちの結論が正しいことを立証するために、この一年間の牧師の働きを調べ上げました。

牧師はたった一人の少年を救いに導いただけでした。

長老たちが帰った後、牧師は教会の庭に出て、何も言えずうなだれていました。

その時、後ろからだれかがひじにさわるので振り向いてみると、

自分が導いた少年が立っていました。

「おお、ロベルト。どうかしたのかい。」

「はい、先生。私は救われてからずっと、宣教師になりたいと思っていました。
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