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旧約聖書:サムエル記 第一 9:1~10
9:1 ベニヤミン人で、その名をキシュという人がいた。──キシュはアビエルの子、順次さかのぼって、ツェロルの子、ベコラテの子、アフィアハの子。アフィアハは裕福なベニヤミン人であった──
9:2 キシュにはひとりの息子がいて、その名をサウルと言った。彼は美しい若い男で、イスラエル人の中で彼より美しい者はいなかった。彼は民のだれよりも、肩から上だけ高かった。
9:3 あるとき、サウルの父キシュの雌ろばがいなくなった。そこでキシュは、息子サウルに言った。「若い者をひとり連れて、雌ろばを捜しに行ってくれ。」
9:4 そこで、彼らはエフライムの山地を巡り、シャリシャの地を巡り歩いたが、見つからなかった。さらに彼らはシャアリムの地を巡り歩いたが、いなかった。ベニヤミン人の地を巡り歩いたが、見つからなかった。
9:5 彼らがツフの地に来たとき、サウルは連れの若い者に言った。「さあ、もう帰ろう。父が雌ろばのことはさておき、私たちのことを心配するといけないから。」
9:6 すると、彼は言った。「待ってください。この町には神の人がいます。この人は敬われている人です。この人の言うことはみな、必ず実現します。今そこへまいりましょう。たぶん、私たちの行くべき道を教えてくれるでしょう。」
9:7 サウルは若い者に言った。「もし行くとすると、その人に何を持って行こうか。私たちの袋には、パンもなくなったし、その神の人に持って行く贈り物もない。何かあるか。」
9:8 その若い者はまたサウルに答えて言った。「ご覧ください。私の手に四分の一シェケルの銀があります。私がこれを神の人に差し上げて、私たちの行く道を教えてもらいましょう。」
9:9 ──昔イスラエルでは、神のみこころを求めに行く人は、「さあ、予見者のところへ行こう」と言った。今の預言者は、昔は予見者と呼ばれていたからである──
9:10 するとサウルは若い者に言った。「それはいい。さあ、行こう。」こうして、ふたりは神の人のいる町へ出かけた。