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聖書:伝道者の書 5:8~20(新改訳2017)
8 ある州で、貧しい者が虐げられ、権利と正義が踏みにじられているのを見ても、そのことに驚いてはならない。その上役には、それを見張るもう一人の上役がいて、彼らよりももっと身分が高い者たちもいるからだ。
9 国にとっての何にもまさる利益は、農地が耕されるようにする王がいることである。
10 金銭を愛する者は金銭に満足しない。富を愛する者は収益に満足しない。これもまた空しい。
11 財産が増えると、寄食者も増える。持ち主にとって何の成功だろう。それを目で眺めているだけだ。
12 働く者は少し食べても多く食べても、心地よく眠る。富む者は満腹しても、安眠を妨げられる。
13 私は日の下に、痛ましいわざわいがあるのを見た。所有者に守られていた富が、その所有者自身に害を加えることだ。
14 その富は不運な出来事で失われ、息子が生まれても、その者の手もとには何もない。
15 母の胎から出て来たときのように、裸で、来たときの姿で戻って行く。自分の労苦によって得る、自分の自由にすることのできるものを、何一つ持って行くことはない。
16 これも痛ましいわざわいだ。出て来たときと全く同じように去って行く。風のために労苦して何の益になるだろうか。
17 しかも、人は一生、闇の中で食事をする。多くの苛立ち、病気、そして激しい怒り。
18 見よ。私が良いと見たこと、好ましいこととは、こうだ。神がその人に与えたいのちの日数の間、日の下で骨折るすべての労苦にあって、良き物を楽しみ、食べたり飲んだりすることだ。これが人の受ける分なのだ。
19 実に神は、すべての人間に富と財を与えてこれを楽しむことを許し、各自が受ける分を受けて自分の労苦を喜ぶようにされた。これこそが神の賜物である。
20 こういう人は、自分の生涯のことをあれこれ思い返さない。神が彼の心を喜びで満たされるからだ。