「神様の喜ぶ供え物」 L.i.C

第2次世界大戦の直後、ヨーロッパの国々は社会復興に手をつけ始めました。
多くの国が廃墟と化し、その中には道ばたに捨てられ、
食べ物がなくて死にそうになって泣いている戦争孤児たちがたくさんいました。
ある寒い冬の朝、一人の米軍兵士がロンドンの軍基地に帰る途中でした。
ジープに乗って道から出て来たとき、一人の少年がパン屋の前に立って、
鼻を窓につけて中をのぞいているのに気がついたのです。
中ではちょうどドーナツを作っているところでした。

その兵士は道に車を止めて降り、少年のところに近寄って行きました。
ガラスの向こうには、焼きたてのおいしいドーナツが並んでいます。
少年は、それを見て、つばを飲み込みながらため息をついていたのです。
兵士はその少年に「お前、あれが食べたいの? 」と話しかけたのです。
少年は驚きながら、「はい…」と答えました。
兵士は中に入り、ドーナツ10個を買って、
少年が立っていたところに戻ってきました。
そして、にこにこと笑いながら彼に紙袋を渡して、自分の車に帰ろうとしました。
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「祈ることだけです!」 L.i.C

日曜日の朝、ハドソンは船長のようすがおかしいことに気づきました。
聞いてみると、船が強い潮流にひかれて、
暗礁にぶつかろうとしているというのです。

「もう、かなり近くまでひき寄せられています。
できることはみなやってみました。後は待つばかりです」
と船長は絶望的な声で言いました。
それを聞いたハドソンに、ある思いが与えられました。
「いつも決まって日没の頃に吹き出す風が、
今吹いてくれさえしたら、自分たちは救われるのだ。
もちろん自分たちに風を思いのままに動かす力はないが、
神ならばいつもより早い時刻に風を起こすことがおできになる」
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「愛が奇跡をおこす」 L.i.C

1952年、メイ・レムキという54歳の女性が、
レスリーという6ヶ月の男の赤ちゃんの世話を頼まれました。
レスリーは脳性麻痺で、知的障害があり、
眼病のために目を取り除かれ、耳も不自由でした。

医者たちは、「この赤ん坊は長く生きられない!」と診断しました。
しかし、メイは、「この子を絶対死なせない!」と決心し、
レスリーに愛を注ぎ続けました。
そして、普通の赤ちゃんのように育て始めたのです。
彼のほほの近くで大きな吸引音を出して、
哺乳瓶から普通にミルクが飲めるように教えました。
しかし、レスリーは10歳になっても手だけしか動かせない状況で、
事態は、絶望的に見えました。
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