「見るもの、聞くもの」 L.i.C

以前、自動車の免許を取りに教習所に通っていた時のことです。

狭い道を運転中、歩行者を気にしながら運転していると、
指導員にこう言われました。
「あんまり歩行者ばかり見ていると、そっちに進んでしまうよ」
私たちは、自分が見ている方向に進んでしまう習性があるのです。

また、東北出身の青年が、東京に就職したある日、
喧騒の中で「コオロギの声が聞こえる」と言いました。
東京出身の友だちは、こんな雑踏で聞こえるわけがないと笑いましたが、
歩道の脇にあるわずかな草の間に、確かにコオロギがいたのです。
青年は言いました。「人にはね、聞きたい音が聞こえるんだよ」
“「見るもの、聞くもの」 L.i.C” の続きを読む