「スイス人の腕時計」 L.i.C

スイス人の腕時計

ある牧師の証しです。
私は23歳の時、親から勘当され身一つで家を出ました。
その晩は阪急電車の六甲駅の待合室で寒い一夜を過ごしました。
牧師になる決意は揺るぎませんでしたが、
その夜の寒さは、私をみじめな気持ちにしました。
翌朝、文無しの私は空腹を抱えながら徒歩で神戸の町に出ました。
朝の出勤時間で大勢のサラリーマンが道を急いでいる雑踏の中で
その人に出会ったのです。

彼は私が大学時代にアルバイトしていた会社の上司でした。
彼はスイス人で、私の父ほどの年齢です。
1年半ぶりの再会でした。彼は私が普通でないことを察知し、
道端に立ち止まって私の話を熱心に聞いてくれました。
「君には大きな夢があり、決意がある。
信じた道をどんどん進むのだ。君の成功を祈っている。」
こう言って背広の内ポケットから革表紙の小さな聖書を取り出し、
あるページを示しました。そこには英文でこう書いてありました。
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