田舎に住んでいたある男の子が家から学校に行くまでに畦(あぜ)道を通りました。
春の田んぼには苗が植えられていて、稲が育つ時、茎にヤゴが這い上がってきます。
這い上がってきて、稲の茎にくっ付き、太陽に照らされるとバタバタしながら、
頭を振りつつ殻を脱いで出て来ます。そして、羽を広げて空に飛んでいくのです。
ある日、その男の子が学校に行く時、
稲の茎を見ると一匹のヤゴが殻から出ようとバタバタしているので、
「大変だな!苦しんでるな。ぼくが助けてあげよう」と
胴体をつかんで出て来れるようにしてあげました。
男の子は学校に行き、勉強をしていてもそのトンボのことが
気になってしかたがありませんでした。
そして授業が終わって帰り道に、田んぼに走って行くとなんということでしょう!
たくさんの蟻がトンボを噛み切って食べていたのです!
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