「生きるにも死ぬにも私の身によって、キリストがあがめられることです。」
(聖書/ピリピ1:20)
今から200年ほど前のことです。
一人の青年紳士が、デュッセルドルフの美術館の一枚の絵の前にたたずんでいました。
その絵は有名な画家ステンバーグが、
自分の罪のためにイエス様が十字架で死なれたことを描いた、
あの「十字架のキリスト」でした。
彼はその絵の前にやってくると、足が床に吸いつけられたように、
ピタリと動かなくなってしまったのです。
その絵は、イエス様が静かに呼びかけているかのようでした。
画題を見ると、ラテン語で
「我は汝のためにかくなせり、汝は我がために何をなせしや」と書いてありました。
それを、何度も口の中で繰り返し味わった彼の目には、涙がにじんでいました。
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